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『カフェー・プランタン』作者インタビュー(2)「キャスティングについて」

2020.12.25

景山:『カフェー・プランタン』は、初演で出演していなかった私が入ったり、女性役を男性に変えて、石原くんが出ていたんですが、どうですか?


MOTO
:結構、全体の雰囲気が違いますね。でも、どっちがいいとか悪いとかは、特になく。


景山
:そうそう!演じ手が変わるとキャラクターの見せ方が違うんだなって改めて感じて。Nadianneではあまり再演っていうのはないから、そういう楽しさがありました。


MOTO
:そうですね。基本的には、同じ脚本なんですけど、違うなって思いましたね。

景山:みっちゃんは同じ菊次さん役で。経験や年齢を重ねて演じているから、一個一個の台詞の重みや深みがあった。


MOTO
:やっぱり成長を感じましたね。


景山
:他の役ごとについても印象を聞いていいですか?まずは、ハルちゃん。


MOTO
:今のNadianneメンバーで袴とブーツ姿だったら、夏美さんだなって思ったんですよね。


景山
:そうですよね。ハルちゃんの女学生感を出せるのは夏美かなって。私たち実際アラフォーだし。


MOTO
:(笑)


景山
:みんなで全部のパターンを読んだじゃないですか?やっぱり夏美がしっくりきてたよね。


MOTO
:そうですね。ハルの配役は、あまり悩まなかったというか


景山
:逆に悩んだのはどこですか?


MOTO
:静子とか菊次も同じ人でいくか、いかないか。結局、同じみっちゃんになったんですけど。その辺は結構悩みましたね。


景山
:どの組み合わせにするかで全く違うんだろうね。あとキャスティングの時に「前後の作品も意識して違うキャラクターの方がいいんじゃないか」って言う意見も出たよね?


MOTO
:そうなんですよね。『カフェー・プランタン』の後に上演する作品の役柄も考えて、今回のキャスティングになりました。


景山
:私は、千代ちゃんを演じられて本当に良かったです。


MOTO
:千代も面白かったですよ。面白かったって言うとアレですけど千代の苦しみが一番わかるのは、多分伸子さんなんですよね。


景山
:そうね。作家してるし、書くのが好きだから。


MOTO
:書くの好きだし、書けない苦しみっていうのが、やっぱり伸子さんだったと思ったんですよね。書けなくて「わーっ!!」ってなるところが真に迫っていて。


景山
:ありがとう。『カフェー・プランタン』は初演を客席で見て、千代のこんな台詞言えたら幸せだろうなと思ってたんだよね。だから、千代を演じさせてもらえたのは嬉しかった。


MOTO
:なるほど。


景山
:あと、演じ手が変わるとこんなに違うんだって思ったのが、静子だったかな。


MOTO
:それはすごくわかりますね。初演の静子は、サバサバしたドライな面が強かったんですけど、今回は結構ウェットというか


景山
:人間味の角度だよね。初演の静子は、もっと現実を飲み込んで生きている感じがして。今回は、そこがもっと苦しい感じがした。


MOTO
:やっぱり静子自身も悩んでるっていう


景山
:うん。演じる人によって、キャラクターのどこを拡大させるかとか、本人の魅力との繋げ方が全然違うなって。


MOTO
:やっぱり役者さんの色っていうのは出るんですよね。


景山
:当て書きだからこその良さもあるだろうし、そうじゃないからこそ出せるところもあるんだと思うんだよね。脚本の持つ可能性を感じさせてもらえたから、再演もいいなぁと思った。


MOTO
:はい。

景山:次に石原くんなんですけど、カフェの店員を男性に変えたことでの違いはどうでしたか?


MOTO
:男性のお店に女性客が集まるっていう関係性が…ちょっと面白かったですね。


景山
:そうかも。おじちゃんに会いに行くっていうか、その場がみんな好きなんだろうね。でも、若い人たちが集まって、ちょっと面白いかも。


MOTO
:(マスターは)あんな無愛想なのにね。


景山
:でも、劇中で出て来るコーヒー、美味しそうだった!


MOTO
:そうですね。飲んでみたい。


景山
:あと、おじちゃんと言えば…ヒゲ?


MOTO
:(笑)


景山
:ヒゲ付けると雰囲気すごく変わるから楽しいよね。女性はできないじゃない?


MOTO
:確かに(笑)そういう意味でも初演と違いますね。

 

作者インタビュー(3)「見所について」に続く